解放区'68 -日大斗争の記録- / Liberated Area '68

-

Google Translate
本書は1968年から続いた「日大斗争」の記録を描写した写真集で、1969年に学生で組織された日大全共闘記録局より刊行されたで歴史的一冊。大学当局側の不正経理、政府・警察まで巻き込んだ弾圧に端を発し、組合や父兄まで巻き込んでいった大学闘争。60年代の大学闘争の中でも、取り分け大きな暴動と化していったのが「東大」そしてこの「日大」。名もないアマチュア写真家によって撮影された図版ながらも、クオリティーの高さそして優れたレイアウト・デザインは、数ある闘争・抵抗写真集の中でも群を抜く素晴らしさ。「証拠」を残さず、匿名性を帯びた描写にしつつ、躍動感と当時の激動感を伝えるためにブレやボケを多用し、グラフィカルでハイコントラストな表現方法は、同時代の中平卓馬や森山大道らによる「プロヴォーク」に通じるところもあります。日本写真の転換期でもあった70年前後に生まれた知られざる名著。大半がページが外れている本ですが、こちらは良好。（Parr & Badger Vol. Ⅲ掲載）

＜Related Artists＞ 全日本学生写真連盟 / All Japan Students Photographers Association
＜Condition＞ 本体：カバー少シミ・少ヨゴレ、縁少イタミ