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日本を代表する写真家である荒木経惟の妻である荒木陽子のエッセイに、荒木経惟撮影による写真を収録した共著『酔い痴れて / Yoishirete』。1984年に刊行された『ノスタルジアの夜 / A Night of Nostalgia』に続き、白夜書房刊行で、雑誌『写真時代』の編集長であった末井昭のデザインによるコラボシリーズの第2弾。陽子の文章力に目をつけた末井が、写真時代の巻末に陽子による映画評論やエッセイを収録するようにしたのが、確か1980年代前半から。本書でも、「映画」「夢」という非現実の世界と、「荒木経惟」「荒木陽子」という現実の世界が交錯しながらも、女性の有する寂しげで孤独な心情やエロティシズムを、巧みに描写した読み応えのあるエッセイが収録されています。その言葉や陽子の心情は、荒木経惟撮影によるスナップ・ランドスケープに見事に反映されており、言葉と写真、妻と夫によるあうんの呼吸が見事です。陽子の気持ちに共感できる女性には是非一読頂きたい一冊です。