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日本の写真家・宍戸ハルミ(春己)の作品集『ヤマは終った / The Mine is Closed』。1947年福島県生まれ、68年に上京、東京写真専門学院に入学して、卒業後は同学院研究室にて勤務、そしてこちらが同校を発行人として刊行されたファースト・ブック。副題「常磐炭礦閉山より」と記載のある通り、宍戸が故郷である同地域で撮影したドキュメンタリー。この70年前後は、海外の安価な石炭の利用や主要エネルギーが石炭から石油に移行していた影響で、全国的にも閉山が相次ぎ、その一連をルポした作品集も多数刊行されておりますが、宍戸は子ども頃に遊び夢見た場所の最期をカメラに収めます。活気を失ったボタ山、苦しい仕事から離れられる安堵感と、未来への不安で、止めどない虚無的な日々を送る人々が描写されています。尚、この作品集は、同じく同校出身の比嘉康雄による『生れ島・沖縄』と同年に刊行され、教育用の資料として用いられていたようです。ちなみに同校は、翌年には西村多美子の不朽の名作『しきしま』も上梓しています。