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雑誌『太陽』は、日本で最初の本格的グラフィック・マガジンとして創刊され、カメラによる表現を最大限に生かす雑誌として注目を集めました。本書は、その太陽の創刊1周年を記念して創設された「太陽賞」の第1回受賞者の紹介がなされていますが、その受賞者とは当時電通に勤務していた荒木のぶよし。下町・三河島界隈に暮らす子どもたちのドキュメント作品「さっちん」が受賞作となりました。以下、木村伊兵衛によるコメントより。「『さっちん』は、写真の調子を陰影部を主として黒っぽくコントラストを強くした感じに仕上げている。それがこのモデルの生態を表現するのに大きな効果をあげている。(中略)また、動作のとらえ方にいわゆるシャッター・チャンス的ないい瞬間をとらえたというでのはなく、1枚1枚が確実に、これはこうであるといった内容を打ち出す形の面白さまでまとめていることや、芝居の幕切れを思わせる見得を切った瞬間などをとめている点、モデルと息があっていなければできないことである。したがって、どれにもモデルの生態がよく煮つめられて、わかりよく親しみを感じさせている」。