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日本を代表する写真家の一人である阿部淳の写真集『2001』。アメリカを代表するストリート・フォトグラファー、ゲイリー・ウィノグランドがそうであったように、阿部は一貫してストリートをモチーフに「写真としての画、写真だからこその世界」にこだわって撮影を続けるスナップの名手です。その一瞬を捉えるカメラ・アイ、芸術的感性、そして1枚でストーリーを語るスナップの一連は、写真の玄人から素人までをも虜にする懐の深さがあり、古くは安井仲治、60年代以降は杉野安といった面々に代表される、コンセプチュアルな作品を熱心に創作していた関西の写真家のルーツを受け継ぐような、心象風景的要素にも魅了されます。本書は、自身が主宰するVacuum Pressから2013年に発行された1冊で、タイトルの通り「2001年」に、おそらく大阪を中心に撮影された図版で構成された一冊。