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日本の写真家・中山隆弘と詩人・東淵修との共著『釜ヶ崎炎写』。1942年神戸に生まれた中山は、高校を卒業後、建築・土木関連の仕事に5年ほど従事した後、写真専門学校で写真を学び始め、1970年代初頭には姫路でカメラ店を開業します。自身が土木工として働き、「愛隣地区」で生きる人々と同じように過ごした経験があることから、中山の興味は「釜ヶ崎」へと向き、営業の傍らに釜ヶ崎に通っては、当地での撮影を続けていました。当時、愛隣地区にも事務所を構えていた詩人・東淵修との出会いから、東淵によって営まれていた出版社「銀河書房」より刊行されたのが本書となります(銀河書房からは後に、井上青龍の『釜ヶ崎』も上梓されています)。今までに数多くの「釜ヶ崎」を舞台にした写真集が発表されていますが、中山による「釜ヶ崎」が最も「人間味に溢れ」「リアリティーがある」かもしれません。「釜ヶ崎の詩人」とも言われた東淵の詩も心に染み込んでくる一冊です。