Google Translate
20世紀を代表する日本の写真家・森山大道の作品集。言わずと知れた森山初期〜中期における主要作品の一つであり、『にっぽん劇場写真帖』や『写真よさようなら』と並ぶマスターピース。写真の既成概念を否定し、リアリズムを否定して、従来の写真行為そのものに対する訣別宣言を行った『写真よさようなら』以来、写真とは何か、写すという行為とは、という考えに行き詰まり、思考と行動のバランスが崩れて、一時期写真が撮れなくなった森山大道。そんな時、写真技術の先駆者・ニエプスが写した、光を留めた「風景写真」に思い起され、自身の思いを表現しようとするスタイルに固執せず、目の前の事実・その光と影の産物を素直に捉えればよい、と原点回帰に至った本作『光と影』。初版は1982年・冬樹社からで、2009年に講談社より町口覚のデザインで、文庫サイズのシリーズもので新版が刊行されていますが、第3弾にあたる本書は、月曜社が2018年から2019年にかけて復刊(を予定)している『にっぽん劇場写真帖』『狩人』『写真よさようなら』からの一冊となります。