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「おんな」をテーマに、女性写真の発表の場としてプロ、アマ問わず公募される「写GIRL展」。本書は、その1987年度の入選作品をはじめ招待作家の作品をまとめた写真集です。沢渡朔、浅井慎平、岩宮武二、大竹省二、長浜治、加納典明、杵島隆、佐藤明、吉田大朋、奈良原一高、稲越功一、大倉舜二といった錚々たる顔ぶれによる女性のヌードが前半を占め、後半は入選作品が並びます。カラー作品が中心になり、女性の雰囲気にも80年代らしいムードも漂いますが、エロティックといった性格をあまり含まず、造形的だったり、ファッション的だったり、写真家それぞれに「おんな」の解釈が異なります。入選作も意欲的な作品が多く、個人賞を贈った審査員が写真家だけでなく、アーティストやクリエーター(池田満寿夫、岡本太郎、大島渚、手塚治虫、小沢昭一など)という点も、様々な見方が交錯し、内容を豊かなものにしている印象です。「おんな」という被写体を通して、時代までが透けて見えるような写真集です。