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アフリカ系アメリカ人写真家として初のグッゲンハイム奨学金を受け、エドワード・スタイケンが手がけたMoMAの伝説の展覧会「ファミリー・ オブ・マン」にも選出されたロイ・デカラヴァの写真集『The Sweet Flypaper of Life』。1954年にロイと詩人で作家のラングストン・ヒューズが偶然街角で出会ったことが本書の始まりでした。ヒューズが40年代後半から黒人街であるハーレムの日常を撮影していたロイの写真を出版社に持ち込み、そしてヒューズがテキストを添えることを条件に出版へと至りました。1955年に発行され、その後1967年に再版、本書は1984年に刷られています(2018年にも新版が出ています)。デカラヴァはドキュメンタリーとしてハーレムの日常を撮影していたわけではなく、創作的な視点で撮影をしていたようですが、そうした気概は練られた構図などに表れているように感じます。黒人をめぐる当時の社会的な背景もありますが、そうした問題を抜きにしても詩的な写真表現がすばらしい、アメリカの写真集のクラシックのひとつです。