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日本の写真家・鼻﨑祐介の写真集『City Lights』。1982年生まれ、東京ビジュアルアーツ写真学科卒業後、写真家の中藤毅彦が代表を務める「ギャラリー・ニエプス」に参加している鼻﨑祐介。本書は、東京と大阪で撮影されたスナップで構成された写真集です。なんとなく既視感のある街の風景に、差し込む光や写り込むちょっとした被写体(人でもモノでも)の具合で独自性を感じさせる写真群。意識的にアクの強い被写体を選んでいるようにも感じますが、日常でありながら、どこか気になるという視点は、巻末で中藤が指摘しているように、鼻崎の写真に70年代の写真界を席巻した「コンポラ写真」の精神があるといえるのかもしれません(そう考えると、表紙にもなっている双子と思しき女性のスナップが、牛腸茂雄の『Self and Others』の双子の姿を連想させます)。晴れの日もあれば雪の日もあり、めまぐるしく変化する都市の情景と日常に潜む違和感のようなものを鋭い感性で切り取っています。