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日本の写真家・高山邦宏と原田一春の写真集『なんだろう倉敷』。高山と原田のキャリアの詳細は定かではありませんが、両名はDas Neueというネームで事務所を構え、70年代から80年代にかけて広島を拠点に活動していた写真家で、80年代前後に2冊の作品集を上梓しています。ファーストが「倉敷」を舞台にした本書『なんだろう倉敷』、そしてセカンドが翌年に刊行した地元観光地・宮島を舞台にした「みやじま」になります。印刷はともにグラビア印刷で、ローカル地を背景としながらも、ハイコントラスト、リフレクション、クローズアップ、ブレ・ボケなど、当時の主流であったスタイルが反映された大変モダンな一冊。また、スナップの描写、ユニークなコンポジション、さらには図版のレイアウトまで見応えがあり、現実と心象風景のような非現実が交錯したかような詩情に富んだ仕上がり。知られざる名作と評されるべき一冊。