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日本の写真家、黒川雅光の写真集『怨念の故郷 成田三里塚』。千葉在住の写真家として『九十九里平野(1972)』や『利根川図志紀行(1986)』など、当地を題材とした作品集を刊行し、後進の指導にも尽力した黒川雅光。その黒川の代表作が70年代に発表された、言わずと知れた「三里塚」。成田国際空港・建設反対闘争の中心地となった成田の農村地区であり、その一連をルポすべく全国から多くの写真家が訪れ、後に多くの作品集が刊行されました。写真集としては、浜口タカシの『ドキュメント三里塚(改訂新版として「戦慄の成田空港」)』や、巨匠・北井一夫の『三里塚』あたりが有名です。浜口の作品は、報道写真家らしいルポで、北井のそれは「闘争そのもの」より一緒に暮らした「地域の人々」に焦点を当てた、ある種私的なドキュメンタリー。そして黒川による三里塚は、地元への愛を超えて、タイトルの通り「怨念」そして地元民さらには写真家の「執念」までもが色濃く写る一冊となっており、大変力強い作品の数々です。