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日本の写真家・田村茂(1909-1987)による写真集『みんなが英雄 -写真で見る「北ベトナム報告」-』。札幌で生まれ、10代で写真に興味を持ち、写真館で下働きをしていたという田村茂。1928年に上京し、植田正治や林忠彦らも学んだオリエンタル写真学校に入学。卒業後は広告写真などを手がけていますが、バウハウス理念を取り入れた新建築工芸学院の雑誌『建築』に関わることで、同学院で1年学ぶことに。当時、土門拳や藤本四八、木村伊兵衛らと交遊があったそうです。ファッション写真なども手がけた田村ですが、ルポルタージュへと移行し、戦後は報道写真家として社会的なテーマに取り組みます。1963年に「日本リアリズム写真集団」を結成、理事長に就任。本書は、1965年に発行された1冊で、ベトナム戦争の現場(北ベトナム)を写したもの。アメリカによる空爆が始まるとすぐにベトナムへと飛び、前線へ。二ヶ月半の滞在中、都市や村などを見て回った写真が収められています。印象的なのは銃を手にする多くの若者たち。畑作業をしている間も爆撃にそなえ銃を背負う姿に、現地の過酷な日常が刻まれています。