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日本の写真家・吉岡康弘の写真集『ソドムの楽園』。1961年に行なわれた「読売アンデパンダン展」でデビューを飾ったものの、出品作は「ワイセツ」との理由で撤回を余儀なくされ、それら撤去された作品を主体として1962年に自費出版で1st写真集を刊行。モノクロの強いコントラスト、コラージュ等を用いた肉体の描写を通して、「人間」の意味さえも剥奪さすかのごとくアヴァンギャルドな創作・表現に挑んだアーティストで、初期作品群は巨匠マン・レイにも激賞されています。以降は安部公房、勅使河原宏、大島渚らのスチール写真等で名を馳せ、細江英公らと並び、60年代前衛写真芸術の旗手であった吉岡康弘。本書は、70年代初頭に芳賀書店より刊行された作品集で、大島渚や若松孝二らの映画でも活躍した女優・若林美宏らをモデルとして描写された前衛ヌード集。6つに章立てされ、カラー・モノクロを交えたユニークな構成で長友啓典による装幀も洒落ており、大島渚・白石かずこらのテキストも興味深い一冊。