Google Translate
日本の写真家、糸井燿史(1934-)の写真集『ジェイズ・バーのメモワール 映画「風の歌を聴け」より』。1955年より大阪の街とポートレートを撮りはじめ、1960年頃に、ロバート・フランクの写真集『Americans』に強い衝撃を受けたという糸井。モダンジャズとヌーベルバーグに傾倒し、60年代後半に写真グループ「HIPD・HIP」を結成し、音楽、演劇、演芸など他ジャンルのアーティストたちと交流。70年代は主に関西の情報誌『プレイガイドジャーナル』で撮影をしてきました。本書は、映画『風の歌を聴け』(原作は村上春樹のデビュー作でもある同名の小説)の制作現場を写したもの。1980年公開の映画『ヒポクラテスたち』で注目を集めた大森一樹が監督を務め、主演は若かりし日の小林薫。夏休みに生まれ故郷の海辺の町へ帰省した大学生を演じる小林が、馴染みのバー「ジェイズ・バー」での友人たちとの再会を描いていますが、糸井は撮影中の一コマをはじめオフショットなど写し出しています。現場の臨場感や撮影の合間に見せる役者たちのリラックスした表情をうまく切り取っています。