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日本の写真家塩谷賢作の写真集『See-through Chrysalis』。長年リトアニアに移り住み、現地でスタジオを創設して活動していたという塩谷賢作。自身のプロフィールには「己の心を夜の闇に染めながら、その優しくて暖かい世界を撮影し続けている。夜の街を自在に徘徊する猫達のように、月明かりから隠れて言葉を交わす人々のように、艶かしい光の色を放つ建造物のように」と記されていますが、収録図版を眺めれば、その意味も十分理解できます。本書は、塩谷のファースト・ブックで、リトアニア滞在時に収められた写真で構成されています。夜のストリート・シーンやランドスケープ、暗めな室内での生活のひとコマや廃墟と化した家、前衛舞台や宗教儀式、ナイトクラブのユース・カルチャーなどを重めなカラーで、一方子どもたち、のどかな自然、インテリア、スティルライフなど歴史を感じさせ、趣のある世界観は鮮やかなカラーで描写されており、映画のようなビジュアル・シークエンスに魅了される一冊です。