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日本を代表する写真家の一人である阿部淳の写真集『黒白ノート』。アメリカを代表するストリート・フォトグラファー、ゲイリー・ウィノグランドがそうであったように、一貫してストリートをモチーフに「写真としての画、写真だからこその世界」にこだわって撮影を続けるスナップの名手阿部淳。古くは安井仲治、60年代以降は杉野安といった面々に代表される、コンセプチュアルな作品を熱心に創作していた関西の写真家のルーツを受け継ぐような、心象風景的要素にも魅了されます。その一瞬を捉えるカメラ・アイ、芸術的感性、そして1枚でストーリーを語るスナップの一連は、写真の玄人から素人までをも虜にする懐の深さがあります。心象描写表現の中心的モチーフであったチラシ・ポスター、さらには水たまりの図版から始まるモノクロのストーリー。1996年から99年までに撮影された作品で構成されています。