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日本の写真家・近藤龍夫の作品集『湖北 / Kohoku』。1916年名古屋生まれ、結婚を機に岐阜に移り住み、写真材料店を営みながら、写真を続けたアマチュア写真家。日本を代表する写真家濱谷浩と親交が深く、濱谷は近藤の写真を以下のように評しています。「彼が好んで撮影するものは陽ではなく陰、明ではなく暗、晴天よりも曇天か雨、祭りの人々でも、彼が撮るともの悲しげ。これはどうしたことか。彼の写真は大変日本的である。主題の選び方、解釈の仕方、そして写真が引伸された時、大変日本的である。良きにつけ、悪しきにつけ、いくら日本人が振り払おうとしてもつきまとって離れない日本的なもの、それは形象でも具象でもなく、日本的な心象、近藤の写真は日本的な心象の表出にほかならない、と私は見る」。本書は、琵琶湖北(東)部の湖北を舞台に撮影された図版で構成されており、濱谷の代表作『裏日本』の影響も多分に受けたという作品の数々。グラビア精光社による奥深いモノクロにも魅了される一冊です。