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日本の写真家・塩谷定好(1899−1988)の写真集『芸術写真の時代 塩谷定好』。生涯鳥取県・赤崎という僻遠の地で活動を続け、同郷の後輩である植田正治をして「神さまみたいな存在」と言わしめる孤高の写真家です。幼少時より写真に興味を持ち、農学校を卒業後はアマチュア写真サークル「ベストクラブ」を創設して活動を始め、各種写真雑誌で作品を発表。「わたしの写真は、自然をしたう。自然のこころを。わたしの心として写すことに専念してきたと思うのです。四季折々の風物に詩情を動かされ、山も川も海も、田園の風景も、人も、自然の感情を自分なりに発見し、感動しながら一生懸命に写してきたと言えます」(写真家より)。カメラ、感光材料も未発達な時代に、創意工夫を重ねて、独自のテクニックを見出だして撮影・プリントを施し、山陰の原風景を捉え続け、晩年には海外でも高い評価を得ることになった塩谷。本書は、三鷹市美術ギャラリーで2016年に行われた初の回顧展の図録です。代表作が一覧できるので、入門書として最適な一冊です。