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篠田銘木店から発行となった写真集『家 写真集1969日本建築』。銘木、材木を扱いながら出版活動にも力を入れていたお店のようですが、本書では、日本建築の事例を紹介しながら、使用されている銘木もクレジットされているので、ある種カタログのような1冊となっています。住宅、床の間、玄関、和室、茶室と章立てられており、各章には建築家がテキストを寄せ(数寄屋橋建築の大家である早川正夫や吉田五十八など)がテキストを寄せているほか、巻末では錚々たる文化人(作家・井伏鱒二、俳優・宇野重吉、詩人・緒方昇、漫画家・那須良輔、陶芸家・松林東斎、作家・佐多稲子、服飾デザイナー・石津謙介、随筆家・串田孫一、作家・里見弴など)が自身の住まいについての小文を寄せています。写真家のクレジットはありませんが、各章の空間ごとに写真を掲載。戦後の和風建築のため欧米のエッセンスも随所に感じられますが、柱、襖、障子などの垂直の交わりが空間に緊張をもたせ、その凛とした雰囲気が写し出されています。