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日本の写真家三名による写真集『女と男』。その巻頭で、発行者の原善三郎は、江戸時代の浮世絵春画を世界に誇るべき文化と述べ、「江戸時代の絢爛に対抗しうる絢爛」として「浮世絵の風格を各作家の個性に合わせて表現すること」を本書で試みようとしています。こうした原の要望を受けた三者は、男女の性愛をそれぞれのスタイルで表現。立木は、自身の写真を「春画風夢心地写真」と述べていますが、自然光が優しく照らし、ソフトフォーカスで写し出された男女は、甘美でドリーミーな雰囲気に満ちています。加納は『FUCK』で発表した作品を交え、原が「持前のダイナミズム、重層化されたイメージで極彩色をもって厳粛な気配を示した」と評しているように、クローズアップされた身体や観音開きによるページ展開、また独特の色調と温度感が艶かしい。一村は、男女の交わりの間に様々なイメージを挿入することで、2人の快楽を別の視点で喚起するような構成を取り、三者三様の“春画”が見て取れます。