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近年は映画監督としての活躍も注目を集め、現代日本を代表する写真家・アーティストである蜷川実花の写真集『Sugar and Spice』。上海での個展をスタートさせたばかりですが、国内でも大規模な展覧会を巡回させるなど国内外で人気を誇る蜷川実花(父親は日本の演劇界を牽引してきた演出家・蜷川幸雄)。「移りゆくものへの鋭敏な感性に支えられ、夢のように美しく鮮やかな色彩で創り上げられた世界は、若い世代を中心に幅広い層から圧倒的な支持を受けています」と今年行われた個展でも紹介されているように、その極彩色ともいえる色彩感覚が蜷川の作品を決定づけています。本書は2000年に発行され、木村伊兵衛写真賞を受賞した一冊で、雑誌を中心に撮影された女性のポートレートによって構成されています。登場人物やファッションなど90年代の空気を内包した本書ですが、やはり際立つのはカラーであり、蜷川の視点に強い一貫性を感じさせます。