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1st写真集『広島 / Hiroshima Now』が高い評価を得る日本の写真家・石黒健治。本書『沸騰時代の肖像 / Portraits of the 60s』は、60年代に石黒が雑誌や広告などで撮影をしてきた俳優や文化人、アーティストたちのポートレート集です。経済が高度成長を迎え、大衆の娯楽である映画からアンダーグラウンドで起こる前衛芸術まで、文化的にも様々な動きが活発化した、まさに沸騰時代に、寵児となった面々。表紙を飾る加賀まりこをはじめ吉永小百合、津川雅彦といった俳優陣の若かりし姿、川端康成や安部公房といった世界的な作家、今村昌平や篠田正浩、大島渚といった映画監督、寺山修司、唐十郎といった演劇人、また一際異彩を放つ舞踏家・土方巽などが次々と登場します。何気ない一瞬を切り取ったようでありながら、被写体の目線の強さが、60年代という強烈な時代を象徴しているかのように感じます。