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戦後日本を代表する写真家木村伊兵衛の写真集「六代目菊五郎 / Sixth Generation Kikugoro」。戦後の木村伊兵衛の主要作品と言えば「パリ」などに代表されるように「スナップ」や「おんな」が有名です。一方で、戦前30年〜40年代は「写真の本質はリアリズムにあり、その実践が報道写真にある」と本人が述べている通り、活動の主体はジャーナリズムにあり、その成果は名取洋之助ら日本工房のメンバーとのグラフ誌「NIPPON」や「FRONT」「Japan Through A Leica」などで見て取ることができます。そして、戦前からライフワークのように続けてきたもうひとつが「舞台写真」。下町に生まれ、無類の歌舞伎好きであったという木村は、写真を撮り始めた頃より六代目菊五郎と知り合い、そしてその様子をカメラに収めています。カメラを持つ観客には厭な顔をしていた菊五郎も、木村伊兵衛にだけはシャッターを許していたといいます。(The Japanese Photobook 1912–1990 収録)