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東京都写真美術館でのエキシビションも記憶に新しい、日本を代表する写真家・荒木経惟(1940-)。本書『九州日和』は、全日空のキャンペーンにて九州にて女優・松雪泰子を撮り下ろした非売品のノベルティブックです。機内で配布されたキャンペーンの応募ハガキを出し、当選しなければ手に入れることができなかったという一冊。荒木と旅行といえば妻・陽子との新婚旅行を記録した『センチメンタルな旅』があり、その陽子によるエッセイを含む『東京日和』といったキーワードが、本書の背景に透けて見えますが、九州の観光地を舞台に、親密な旅を続けるような2人。地元でもある佐賀で焼き物のろくろを回す無邪気な笑顔から、温泉場・湯布院での妖艶な姿など、旅先で見せる松雪の情感豊かな表情に、荒木の「被写体との(極めて濃密な)関係性」の一面を伺わせます。