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日本の女性写真家木村ハルの写真集「裏庭 / Uraniwa」。木村ハルは千葉県在住の無名のアマチュア写真家でした。船橋市の写真サークルに所属しており、1959年に生まれ写真を始めたのは2008年といいます。しかし、日本を代表する写真家北井一夫・尾仲浩二が審査員を務めた船橋市主催の写真展で、3年連続最優秀賞を受賞し、北井一夫のすすめで上梓に至ったという写真集が本書。対象はタイトルの通り「裏庭」。被写体も何の変哲もないモノモノたちですが、その切り取り方が抜群に素晴らしい。草木や昆虫たちの生命の営み、バケツ・ハンガー・ホウキ・洗濯バサミ・長靴・手袋といったどこにでもある生活用具をオブジェと化した図版、テクスチャーの描写、光と影の表現力、独特の構図など、一級の腕前を持つという書道で培った美意識をもって撮影された作品の美しさに魅了されます。特別な場所、特別な時間、特別なモノでなくても、感性と視点次第で美しい世界は身の回りにたくさんあることを教えてくれます。