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日本の写真家・稲越功一(1941–2009)の作品集『Out of Season(Signed)』。岐阜県高山市に生まれ、グラフィックデザイナーを経て写真家として独立。広告やファッション、人物写真の分野で活躍する一方、旅先で出会う風景を通じて、記憶と時間の関係を探求し続けました。初期の『Maybe, maybe』や『記憶都市』『Ailleurs』などを代表作とし、現実の風景に自身の内面的なイメージを重ねる独自の写真世界を築きました。本書は1969年から1992年までの約23年間に、ニューヨーク、パリ、ベルリン、モスクワ、モロッコなど世界各地で撮影された写真100点を収録した重要作。特定の土地や時代を記録するのではなく、旅の途上で出会った何気ない光景を、記憶の断片として再構成しています。対象に近づきすぎず、遠ざかりすぎない「中景」の視線によって捉えられた風景には、静けさとともに、どこか懐かしく夢幻的な空気が漂います。川本三郎が寄稿し、細谷巖が編集・構成・デザインを担当。1993年の同名展とともに発表された、稲越の長年にわたる風景への眼差しが結実した一冊です。冊子付属。写真家サイン入り。