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フランスの現代美術家アネット・メサジェ(1943–)によるアーティストブック『Nos Témoignages』。1960年代末より写真、コラージュ、刺繍、ドローイング、オブジェ、インスタレーションなど多様なメディアを横断し、身体や記憶、アイデンティティ、女性性をテーマに独自の表現を築いてきたメサジェは、2005年のヴェネツィア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞するなど、現代美術を代表する作家の一人として国際的に高く評価されています。本書のタイトル「Nos Témoignages(私たちの証言)」が示すように、写真や断片的なテキスト、ドローイングを重ね合わせながら、個人の記憶と他者の記憶が交差する曖昧な領域を静かに描き出しています。明確な物語を提示するのではなく、イメージの断片を積み重ねることで鑑賞者自身の経験や感情を呼び起こす構成は、メサジェ作品に一貫する詩的な手法の結晶といえるでしょう。写真を単なる記録ではなく、記憶や感情を媒介する表現として用いた本書は、ソフィ・カルやクリスチャン・ボルタンスキーらにも通じるフランス現代美術の潮流を示す一冊です。