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アメリカ生まれの写真家・石元泰博(1921-2012)の作品集『多重露光 / Ishimoto Yasuhiro: multi exposure』。モホリ=ナジがシカゴに創設したニュー・バウハウスを源流とするInstitute of Designで学び、造形的な視覚と実験精神を培った石元は、『桂 日本建築における伝統と創造』『シカゴ、シカゴ』など、戦後日本写真を代表する仕事を残しました。本書は、2009年に武蔵野美術大学で開催された、石元にとって世界初となるカラー多重露光写真単独の展覧会に際して刊行された図録です。 1973年より竹中工務店の季刊PR誌『approach』の表紙を飾ったシリーズを中心に、複数の像を一画面に重ね、色彩と形態、時間を交錯させた鮮烈なイメージを収録。端正なモノクロームの印象が強い石元の、もうひとつの実験的側面を浮かび上がらせます。展覧会は同シリーズ87点の寄贈を記念して開催されたもので、石元へのインタビューや論考も収録。 杉浦康平によるアートディレクションと蛇腹状に展開する独創的な造本も、重なり合うイメージの連続性を際立たせています。