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アメリカの写真家ルーカス・フォグリア(1983-)の作品集『Summer After』。環境問題や共同体、人と自然との関係を長期的な視点で探求する現代写真家として知られるフォグリアは、綿密なリサーチに基づくドキュメンタリー作品で国際的な評価を築いてきました。本書は、19歳でニューヨークへ移り住んだ彼が、2001年9月11日の同時多発テロ後、最初の夏に撮影した初期作品を約20年の時を経てまとめた写真集です。当時、世界貿易センター跡地ではなお復旧作業が続いていましたが、フォグリアは事件そのものではなく、その後を生きる人々へとカメラを向けました。マンハッタンから5つの区を歩き、街で出会った人々に声をかけながら撮影されたポートレートには、喪失の記憶を抱えつつも日常を取り戻そうとする都市の静かな息遣いが映し出されています。後年の代表作にも通じる、人間と場所との関係を丁寧に見つめる眼差しは、この初期作にすでに明確に表れており、若きフォグリアの原点を知るうえでも貴重な一冊です。また、未発表作品を現代の視点から再編集・刊行するStanley/Barkerの出版哲学を体現した作品としても高く評価されています。