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詩人、劇作家、演出家、映画監督として戦後日本の前衛芸術を牽引した寺山修司(1935-1983)の評論集『アメリカ地獄めぐり』。1967年に演劇実験室「天井桟敷」を旗揚げし、演劇、映画、文学、評論といったジャンルを自在に横断しながら、既成の価値観に挑み続けた寺山は、1960年代から70年代にかけて日本のカウンターカルチャーを象徴する存在となりました。本書は1969年に芳賀書店より刊行された一冊で、公民権運動やベトナム戦争、ヒッピー文化、ポップアート、映画、演劇など、激動する1960年代末のアメリカ社会と文化を寺山独自の視点で読み解いています。単なる旅行記やルポルタージュではなく、アメリカという巨大な文化装置を通して戦後社会や現代文明そのものを問い直す文化評論として読むことができるでしょう。また、本書には当時の空気を伝える写真や印刷物などの図版も豊富に収録されており、資料としての見応えも十分。さらに、装幀を手がけた榎本了壱による先鋭的なブックデザインも大きな魅力で、1969年の芳賀書店版ならではの時代性と実験精神を色濃く感じさせる一冊となっています。