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日本の女流写真家のパイオニア山沢栄子の写真集『私の現代 What I'm doing Positions and Directions』。小さい頃から写真と絵が大好きだったという山沢は女子美術大学の日本画科を卒業後、アメリカに留学し油画を学びます。同時に写真家コンソエロ・カネガに師事して写真も学んだそうです。戦前より大阪にポートレートスタジオを創設し、サントリーの佐治敬三ら経済界の大物や文化人を顧客に抱えていたものの戦争でスタジオを焼失。1960年以降は商業写真から身を引いて、自身の思いを創作出来る芸術写真に傾倒していき、造形とカラーを巧みに操った「アブストラクト」な作品群で名を馳せた山沢栄子。本書は山沢後期の代表作品「What I'm doing」シリーズで構成された一冊。「色彩」「形状」「素材」「構図」「光・影」を組み合わせた独自のアブストラクトな作品は、画家出身である山沢ならではの創造力にあふれており、写真芸術の新たな可能性を切り開いたとも言える一冊です。