Google Translate
ベルギーの写真家ハリー・グリエール(1941-)の作品集『New York』。1960年代末から半世紀以上にわたりニューヨークを撮り続けてきたグリエールは、Magnum Photosを代表する写真家の一人であり、ウィリアム・エグルストンやジョエル・マイヤーウィッツらとともにカラー写真の可能性を大きく押し広げた世代として知られています。映画への強い関心を出発点とするその視線は、街を単なる記録の対象としてではなく、光や色彩、人々の気配が交錯する舞台として捉えてきました。本書は、摩天楼やネオンサイン、多民族社会が織りなす街角、車窓から流れる風景など、長年にわたって撮影されたニューヨークの断片を集成した一冊です。写真は大胆な見開き構成で配置され、まるで映画のストーリーボードをめくるようなリズムの中で展開していきます。そこに写るのは特定の出来事ではなく、都市が発する光や色、人々の存在が生み出す一瞬の緊張感や高揚感です。さらに映画監督セドリック・クラピッシュによるフィクションが添えられることで、現実と想像の境界もゆるやかに揺らぎます。変化を続ける世界都市ニューヨークを舞台に、写真と映画的感覚が交差するグリエールならではの視覚体験を味わえる作品集です。