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イタリア出身の写真家レレ・サヴェリ(1980-)の作品集『Incubi et Succubi』。ローマでグラフィティ文化を撮影したことをきっかけに写真を始めたサヴェリは、その後ニューヨークへ拠点を移し、『VICE』やインディペンデント出版を中心に活動しながら、ブルックリン地下鉄構内のジン・スタンド「The Newsstand」や8-Ball Zine Fairなど、2000年代以降のDIY出版/アンダーグラウンド文化を象徴する存在としても知られています。本書は、中世ヨーロッパの夢魔伝承“Incubus / Succubus”をタイトルに掲げ、悪夢、宗教儀礼、死、仮面、夜の恐怖といった主題を横断するシリーズです。シチリアの祭礼「Festa dei Giudei」をはじめ、ローマ、ミラノ、ニューヨークなど各地で撮影された写真群は、単なるドキュメントというよりも、民俗とノイズカルチャー、霊性とパンク感覚が混ざり合ったような異様な空気を帯びています。荒々しい粒子や闇の濃いモノクロームのなかには、都市と共同体の深層に潜む不安や衝動が浮かび上がり、2000年代インディカルチャーの感覚を色濃く映し出した一冊となっています。