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日本の写真家・大山千賀子の作品集『自画像』。大山は、男性写真家による男性的視線のヌード表現が主流だった時代に、女性が女性を撮るという立場から独自の表現を模索した作家です。本書でも、被写体を受動的に見られる存在としてではなく、意志や緊張、気配を備えた能動的な身体として捉えようとする視点が貫かれています。タイトルの「自画像」はセルフポートレートを意味するのではなく、自身の内にあるファンタジーや願望、イメージを他者の身体を通して立ち上げるという意味での「自己像」として理解されるべきものです。作家自身が語るように、人の体を通してどこまでイメージを表現できるかを試みた本書では、ヌードは単なる被写体ではなく、想像力を媒介する場として扱われています。そこには官能や演出性だけでなく、身体をめぐる主体性への問いも滲み、1990年代日本写真における女性による身体表現のひとつの重要な実践として読むことができます。ヌード写真集でありながら、身体を通して自己像を探る実験として位置づけられる一冊です。
<Condition> ジャケット・本体:経年並み
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