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フランスの写真家ジル・ペレス(Gilles Peress, 1946–)と人権研究者エリック・ストーヴァーによる共著『The Graves: Srebrenica and Vukovar』。マグナム・フォトのメンバーであるペレスは、北アイルランド紛争やルワンダ虐殺、旧ユーゴスラビア紛争などを長期にわたり取材し、戦争が残す痕跡や記憶の問題を写真によって問い続けてきた写真家です。本書は、1990年代のユーゴスラビア紛争のなかで起きたスレブレニツァ虐殺やヴコヴァル事件を背景に、集団埋葬地の発掘調査を追った記録として編まれています。ペレスの写真は、発掘現場や遺留品、衣服の断片といった物証を静かに見つめ、暴力の現場を直接的に描くのではなく、戦争犯罪の痕跡が残された場所を通して歴史の重みを浮かび上がらせます。法医学調査の過程を伝えるストーヴァーのテキストと並置されることで、写真は単なる報道を越え、失われた命をめぐる証言として読む者に深い問いを投げかけます。