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ウクライナの写真家ボリス・ミハイロフ(1938–)の作品集。旧ソ連下のハルキウを拠点に独学で写真を始め、体制批判的な作品により職を失いながらも制作を続けてきたミハイロフは、イデオロギーと日常のあいだに生じる亀裂を鋭く見つめ、後の「Case History」などへと連なる独自の表現を築いた、現代写真における重要な存在です。本書は1990年代半ばに刊行されたカタログ的作品集で、ソ連末期から崩壊期にかけてのシリーズを横断的に収録し、個人の生活と社会の構造が複雑に絡み合う風景を浮かび上がらせます。カラーとモノクロを行き来しながら、演出と記録の境界を揺さぶるそのイメージは、ユーモアと批評性を併せ持ちつつ、時代の歪みや身体の在り方を静かに映し出します。歴史の転換点における感覚を、多層的に捉えた一冊です。