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アメリカの彫刻家リチャード・ノナス(1936–2021)による作品集『Fieldwork』。民族学者として北極圏や辺境の共同体でフィールドワークを行った経験を持つノナスは、1970年代以降、物と空間の関係を探る彫刻作品で知られ、本書では自身のニューヨークのスタジオを対象に約150点のモノクロ写真を撮影しています。完成された作品だけでなく、制作途中の断片や素材、道具、日常的なオブジェが混在する空間は、単なる作業場というよりも、思考や行為の痕跡が堆積した場として立ち現れます。洞窟のように密度の高いこの内部空間は、彫刻的な配置や関係性そのものが主題となり、ノナスの実践に通底する「場」の感覚を強く示唆します。観察と配置への意識という民族学的視点と、彫刻的思考が交差する地点を可視化した一冊です。