Google Translate
フランスの作家・写真家ロマン・スロコンブ(1953–)の作品集『L'empire érotique』。パリに生まれ、国立美術学校で学んだスロコンブは、1970年代末から雑誌『Métal Hurlant』などのカウンターカルチャー誌でイラストレーターとして活動を始め、パンク的な表現で知られるグラフィック集団バズーカとも関わりながら独自の視覚世界を築いてきました。のちに小説家としても多くの作品を発表し、写真・文学・イラストレーションを横断する作家として知られています。本書は1994年に刊行された写真作品集で、女性像を中心としたフェティッシュ的なイメージや日本文化への関心など、スロコンブの創作に通底するテーマが色濃く表れたシリーズの一冊です。戦争の記憶や身体へのまなざし、危うさを帯びた美の感覚などが交錯する独特の世界観は、写真と文学の双方を行き来する彼の表現活動を理解するうえでも重要な位置を占める作品といえるでしょう。