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日本の写真家・荒木経惟の作品集『KaoRi Love』。2000年代、荒木がモデルKaoRiを長期にわたり撮影したシリーズの一冊で、2007年に限定的なかたちで刊行された希少本です。本作の特徴は、ポートレイトやヌードのイメージに、荒木自身がペインティングや加筆を施すことで、写真を「完成された記録」から引き離している点にあります。輪郭をなぞる線や身体に重ねられた色彩は、被写体を飾るためのものではなく、撮る側の欲望や衝動がそのまま露出した痕跡として現れます。KaoRiの身体は理想化されることなく、写真と介入がせめぎ合う場として置かれ、荒木が一貫して向き合ってきたエロスと生の不安定さが濃く刻まれます。同じ形式で繰り返すことが難しい一回性と、写真に触れずにはいられない衝動が交差する本書は、2000年代荒木作品の特異な地点を示す一冊です。400部限定。