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フランスの写真家アンリ・カルティエ=ブレッソン(1908–2004)の作品集『The World of Henri Cartier-Bresson』は、1968年にViking Pressより刊行された代表的なモノグラフのひとつ。シュルレアリスムの影響を受け、ロールフィルムとライカを駆使して「決定的瞬間」を追い求めたカルティエ=ブレッソンは、20世紀写真史において最も重要な存在とされています。本書は、彼が世界各地を旅して撮影した数多くの作品を精選し、戦後の社会や人々の姿を鋭く、時に詩的に切り取った写真群を収録しています。ヨーロッパの街角やアジアの風景、政治的事件の現場から市井の人々の日常まで、彼のレンズは常に人間の本質をとらえ、その瞬間に潜む普遍性を浮かび上がらせています。単なる記録写真にとどまらず、構図の美しさと瞬間の緊張感を兼ね備えたイメージは、写真が芸術表現として確立される過程を示すものでもあります。初版は1968年。こちらは71年刊行・Reprint。