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日本の写真家・土田ヒロミの作品集『砂を数える / Counting Grains of Sand 1976-1989』。1944年福井県に生まれた土田は、早稲田大学卒業後に写真家として活動を開始し、70年代の『ヒロシマ』や『俗神』など、社会的テーマに根ざした作品で注目されました。社会や歴史、そして風土との関係を冷静かつ深く見つめる視座を持ち、現代日本写真の中核的存在として高く評価されています。本書は、タイトルの「砂」は単なる自然物ではなく、人や群集のメタファーとして扱われています。街に佇む人々や群れ、広場に集まる群集、無名の存在として流動する人間の姿を、まるで無数の砂粒のように捉えた視線が貫かれています。個が集まり群となり、やがて再びバラバラになる――その儚さや不確かさを、静かで均質なトーンの中に描き出しています。社会における個人の匿名性や、時代に埋もれていく存在の在りようを問いかけるような構成は、ドキュメンタリーでありながら詩的でもあり、土田の写真哲学が凝縮された一冊となっています。