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日本の写真家・鷲尾倫夫の写真集『極東ホテル』。1941年東京生まれ、海員学校を卒業した後、海運会社に就職して、海外向け貨物船の乗組員として働いていたという異色の経歴を有する鷲尾倫夫。その間の洋上生活において、のべ50以上の国々を船でまわったそうですが、その間偶然の出会いを機に写真を撮り始め、70年代初頭にニコンサロンで初のエキシビジョンを開催、それ以来プロカメラマンとしての活動を本格的に行い、雑誌『Focus』の創刊時から専属カメラマンとして活躍、その関係は休刊に至る20年近く続きました。本書は、2005年春に、かつて日雇い労働者の町として知られていた東京の「山谷」にある、1軒の外国人旅行者向けの簡易宿に訪れ、出会ったバックパッカーたちのポートレートを数年かけて撮りためた図版で構成された作品集。なぜ日本に来たのか、これからどこへ向かうのか、日本の印象はどうか、などと話しているうちに、自身が予測すらできないようなところに旅するような感覚に陥ったという写真家。そんな思いを写真に込め、さらにこれからの旅を刻むかのように、大量な余白を残した写真集へと思いを込め、その一連を一冊にまとめました。