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スペインの写真家ラモン・マサッツ(1931–)の作品集『Sanfermines』。戦後スペインのドキュメンタリー写真を代表する存在として知られるラモン・マサッツ。1950年代から活動を開始し、フォトジャーナリズムと芸術性の融合を試みながら、スペインの庶民的な風景や日常、宗教行事や祭礼などに焦点を当てて作品を残しました。鋭い観察眼と詩的な構図力、そして感情を排した冷静な眼差しが特徴で、視覚的なリアリズムと叙情性を兼ね備えた作品群は、現代スペイン写真の礎とも言われています。本書は、スペイン・パンプローナで毎年開催される「サン・フェルミン祭」を題材とした、マサッツの代表作。1955〜60年にかけて撮影された本作には、牛追いに挑む若者たちの緊張感や、群衆の熱狂、路地裏の静けさまでもが克明に捉えられています。200点以上に及ぶモノクロ写真は、単なる祭りの記録ではなく、共同体のエネルギーと個人の感情が交錯する瞬間を鮮烈に切り取った人間讃歌。巻頭にはアーネスト・ヘミングウェイによる序文も収録され、文学と写真が交差する文化的価値の高い一冊。初版は1958年で、こちらは刊行後50周年を記念して復刻されたアニバーサリーエディション。