Detachment

Sophie Calle

Google Translate
フランスを代表する女性アーティストであるソフィ・カルの作品集『Detachment』。ソフィ・カルの作品は、記憶や不在、個人と社会の関係を探るものが多く、近年邦訳版も多数刊行されていて、日本でも一層人気が高まっていますが、本書もまさにそのような視点で創作されており、旧東ベルリンの住民に対して、かつて存在した記念碑やシンボルが撤去されたことについてインタビューを行い、その反応や記憶を記録した作品集です。モノの不在が、人々の記憶やアイデンティティーにどのような影響を与えるかを考察したソフィ・カルらしいテーマですが、旧東ベルリンの記念碑やシンボルが撤去されたことによる人々の心情の変化に焦点を当てている点が、まずユニーク。さらに、実際にそこにあったものが消えた後の記憶の断片や、その欠落がどのように人々に影響を与えているのか、大変考えさせられる内容で、名著。初版は2000年で、こちらは2013年刊行・英語版です。

＜Related Artists＞ Sophie Calle
＜Condition＞ 本体：経年並み