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美術家向けの雑誌として長らく刊行された『アトリエ』の別冊シリーズで、1957年5月刊行のNo.34は、特集「新しい写真」。1957年と言えば、批評家・評論家の福島辰夫が主導し、従来の土門拳や木村伊兵衛らがリードしてきたリアリズム写真に限らない新たな写真表現を追求した「10人の眼」展が5月に行われ、石元泰博、川田喜久治、東松照明、奈良原一高、細江英公らが参加しました。本書が刊行されたのも同年5月であり、序文を近代日本を代表する美術評論家で、日本におけるシュルレアリスムの先導者・瀧口修造が綴っていることからも、未来に向けた「前衛写真」についての意義を唱える作品の数々で構成されています。10人の眼と同じく石元や奈良原をはじめ、今井寿恵、後藤敬一郎、本庄光郎、北代省三、岩宮武二、新山清、大西茂、大辻清司、大束元、迫幸一、山本悍右らの作品が収録されています。