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日本の写真家・鬼海弘雄の写真集『東京迷路 / Tokyo Labyrinth』。法政大学哲学科を卒業後、県庁に勤めた後、トラック運転手、造船所工員、遠洋マグロ漁船乗組員、現像所勤務等職を点々としながら、写真家を志し始めた鬼海弘雄。山形の田舎町で生まれ育った影響で、新宿・渋谷・六本木といったハレの場からは距離を置き、親しみのある上野・浅草といった下町を散策するうちに、親近感と興味を覚え、浅草の人々のポートレートの撮影を始めます。人間の内面を写し出した美しい肖像作品は「王たちの肖像」「PERSONA」「Asakusa Portraits」等の刊行物にもまとめられ、世界的にも高い評価を得ています。本書は、1973年から撮り続けている東京・街角の「空間のポートレート集」。浅草でポートレートを撮影していた時に、被写体の内面性や人柄を描写する肖像写真の論理で、風景写真が撮れないかと考え、あえて人の姿を写さずに、そこの場に醸し出された’匂い’や’人の影’を描写することにフォーカスして撮られた図版が収録されています。山形から上京してきた写真家による「東京物語」。初版。