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戦後日本を代表する写真家のひとりである中平卓馬の作品集『hysteric Six』。コントラストの強い、映像的なモノクロ描写。『プロヴォーク』や『来たるべき言葉のために』で知られる作品の数々が、中平のイメージですが、病から奇跡的な復活を遂げた80年代以降の中平は、いたってストレートに、見たままを見たままに記録する「図鑑」のような撮影を重ねていくことになります。近年刊行されている作品集、『沖縄』(2017)などは、共に後期のストレートなカラー作品がメインですが、似たイメージが収録された本書は、2004年に刊行されたものです。今以上に、中平のイメージとしては「違和感」をもって受け入れられていたであろうことは容易に想像でき、このhystericシリーズは、深瀬昌久の「歩く眼」(12号)、植田正治の「小さい伝記」(16号)など、メジャーな写真家の主だった作品以外のところに注目している点も魅力です。600部限定。エディションナンバー入り。