いくつかの記憶 / A Few Memories

野村　昌平 / Shohei Nomura

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日本の写真家である野村昌平の作品集『いくつかの記憶 / A Few Memories』。1965年神奈川県生まれ、日本大学芸術学部写真学科を卒業、瀬戸正人が主宰するギャラリー「Place M」が行う「夜の写真学校」の3期生で、Place Mで「遠廻り」（2002）や「秘密の午後」（2005）など多数個展を開催、またニコンサロンでも「bittersweet」（2006）などを行っています。こちらは2017年に蒼穹舎より刊行された一冊で、1992年から2011年までに撮影されたイメージで構成された一冊。著者によるあとがきにも「不穏な気配が漂う情景を作品にして展示してきた」と記載があり、その通りな印象を感じさせるイメージが多数連なります。一方で、こどもや猫の被写体など、従来のイメージとは異なる図版、以前なら処分していたようなイメージもあえて取り入れたことで、作者として新境地が見出せたようです。そのような特徴を巧みにレイアウトに落とし込んだ大田通貴の編集と、加藤勝也のブックデザインも素晴らしい一冊です。

＜Related Artists＞ 蒼穹舎
＜Condition＞ 本体：経年並み