煙突のある風景 / Landscapes with Chimneys

須田　一政 / Issei Suda

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日本の写真家・須田一政の作品集『煙突のある風景 / Landscapes with Chimneys』。2019年3月に逝去された戦後日本を代表する写真家のひとりであった須田一政。1940年に生まれ、60年代には同い年の荒木経惟とカメラ誌の月例を席巻していた時代もあり、当時から荒木にとっても一目置く存在であったそうです。戦後の高度成長期の裏側で、多くの文化・習俗が失われていく、アイデンティティーが崩壊していく状況下で、フォークロア的な視点でその実情を写し出していった須田一政。6×6を用いた魔術的とも言えるその描写は、時に不気味でぞわぞわするような異界の空気を感じさせ、日常と非日常が交錯する独自の世界観が創り出されています。本書は、「煙突」をモチーフにしたランドスケープで構成された作品集。父が（煙突素材にも用いる）スレート会社を営んでいた関係で、幼い頃から馴染みがあり、煙突を見つけるたびにはシャッターを切っていたいう須田。経済成長に合わせてビルが増えて煙突は減っていき、現在では見つけることさえ珍しくなった煙突の写真をまとめた意味は、昭和の時代へのノスタルジーでもありました。生前よりまとめた最後の一冊です。

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＜Condition＞ 本体：経年並み